白い語録

「す」
「すり:掏摸」
伝統芸能の一種で、全世界に存在する(ブータンにはないかも)。手品や推理小説と同じく、人心幻惑協会の主要20技術の一つにも数えられている。一般的には単なる犯罪と思われることが多いが、実はその起源はギリシア神話にある。運命の女神デスタスの僕で、人間に不慮の運命を与えるズーリが、文献上に現れる掏摸の最古の形と言われている。その役割を果たしている場面は、今日では映画の中でよく見られる。登場人物の運命を握る物は、しばしば掏摸によって掏り取られ、決定的な場面で使用不可になる。また時には、逆にないはずのものが、登場人物のふところに入っていたりする。多くの場合、掏摸自身には運命の運び手である自覚はないのだが、それこそが掏摸の神性の表れであるともいえよう。