白い語録

「そ」
「そら:空」
改めて考えてみると、日本の文化の中で「空」はあまり重要ではないのではないだろうか。「空」は「クウ」であり、仏教の臭いがぷんぷんする。例えばギリシア神話では空の神ウラヌスは重要な位置にいる。エジプトや中国でも、空の神様はいたように思う。或いは空は天であり、神の住まうところとして認識されている。
日本では天、つまり異界は、山であり海である。空に対してそういう認識はなかったのではないだろうか。空に居るのは、風神、雷神であり竜であり鵺である。空は神になりえない存在の闊歩する場であった。
日本神話の最高神であらせられるテンテルちゃんの出自は、天御中主神をはじめとする謎の造化三神から始まっており、イザナギイザナミと森羅万象を神格化した神々の後に登場します。この中に、空の神がいたのかどうかはわかりませんが、さして重要ではないと思われます。極論してしまえば、農耕民族による神話体系であるから、方角を示す星の運行等は重要ではなかったのだろう。
そら、しゃあない、という、オチにもならないしめですいません。
と、そらぞらしく終わってみます。